タイルアート散策
タイル好きのためのタイルエッセイ
私とタイル
タイルアートの世界を紹介します

監督:ライアン・マーフィー 脚本:ライアン・マーフィー & ジェニファー・ソルト 原作:エリザベス・ギルバート
なんだか面白そうだなーと、公開前に少しは気になっていた映画。
知人の言葉で絶対見に行きたくなりました。
「今度 "食べて、祈って、恋をして" という映画を見に行くの!2,3年前にバリ島に行った時に、レストランで隣同士になった人が、この小説を書いた作家だったのよ!」と。その時、作家エリザベス・ギルバートご本人が、その小説を紹介してくれて、また、映画化されることを教えてくれたそうです。
それはご縁のご縁だと思い、最終日に観に行って来ました。
離婚したばかりのジュリア・ロバーツ演じるリズが、自分探しの旅に、イタリア、インド、バリ島を訪れ、そこで出会う人との関わりを通じて人生の楽しみ、悲しみ、喜びを味わい、魂の成長を経験します。
何しろ筆者は主役と同じお年頃。かなり感情移入してしまいました。
イタリアへは2度旅行し、食べ物の美味しさには感激していたので、妙に共感。
また、元々バリ島も大好きで、やはり2度訪れているため、"やっぱりバリはイイなー ため息・・・" と、なじみのある、バリの美しい景色に癒されました。
そしてタイル。
ほんの、ほんの少しの登場でした。
出て来るとは全く期待していなかったので、驚きましたが、この映画の中でもホッコリするようなエッセンスとして使われていたんですよ!
バリの子ども、トゥッティが、小さな手の平に5cm角位の青いタイルを宝物のように持ち、「もしおうちを建てることが出来たなたら、床はこの青いタイルにしたいな」と言うのです!
そしてその夢が、あることでかなうのです。
それがどういう訳でかなうのかは、あまり深く考えると少し疑問点はありますが・・・
まぁとにかく、青いタイルの床のおうち。
少し日本的な釉薬のかかった、深みと味わいのある青いタイル。
映画の中ではそれ程重要なことでも無いのですが、なんだか嬉しいシーンではありました。
ただ、表面がつるつるしているタイプのタイルなので、床にそのタイルを使うのは、濡れた場合には滑るかもしれないという点で少し心配でもありました。職業病でしょうか(^_^;
しかしながら、暑い国、インドネシアでは、タイルのひんやり感は最適だと思われます。気持ちいいでしょうね!
映画の主題は、人の生き方でありました。主人公になった気持ちで各国を旅して、人と出会い触れ合った気持ちになりました。
嗚呼、イタリア人の様に楽しく生き、インド人の様に自分を見つめ、バリの人達の様にやさしく賢明になりたい!
実は、スタジオジブリの作品の中には、結構魅力的なタイルが背景に描かれている。
まずは最新作、「借り暮らしのアリエッティ」。
上映初日に、たまたま映画館の前を通りかかり、どうしてもそこから離れられなくなり衝動的に見て来た。
もしかしたら、今度も期待を裏切らず、どこかでタイルが出て来るのでは・・・と、予想していた通り、今回の作品にも色々な場面で出て来た。
その中でもタイル好きとしては、「こんな風に来たか!」と、思わず目が輝いてしまった背景がある。
身長15cm位の小人から見計らうと、100角のタイル。
100角とは、10cm×10cmの正方形のタイルのことだ。
その100角の絵タイルを、小人たちは、インテリアの腰壁の部分に施しているのだ!
ステキ過ぎる・・・!
背景美術を担当する、ジブリのスタッフの発想とセンスにクラクラしてしまった。
ちなみに腰壁とは、腰の高さに相当する壁の部分のことで、インテリアのデザインの工夫として、床から約90cmの部分までと、そこから天井迄の素材を別の素材で施すことがある。
特に、タイルで腰壁を作ると、汚れ防止になったり、壁を守ったりする効果がある。
通常の家屋の場合、壁は石膏ボードに壁紙が貼られており、石膏ボードは大変衝撃に弱い素材である。
だから、特に衝撃を受ける可能性のある腰から下にタイルを張ると、壁を守ることが出来るのだ。
我が家は、残念ながら腰壁がタイルではないので、掃除機にぶつかりやすい角があり、角が崩れて来ている部分がある。これを見る度、いつか腰壁までタイルを張ろうと考える。
話しがそれてしまった。
アリエッティの家の、腰壁のタイル。
人間が使ったタイルの余りだったんだろうな。見つけた時嬉しかっただろうな。さそがし重かっただろう。
小人たちの目線に立って想像をめぐらすとワクワクした。
また、全て機械作業で作られたまっすぐなタイルではなく、手作業の入った、少し曲がったところもある味のあるタイルに見受けられた。
だからこそ、この美術背景の味のある雰囲気をひそかに盛り上げることが出来ている。
そう確信し、タイルの醸し出す雰囲気の、インテリアにおいての大きな役割を再確認した。もしかしたら大げさなのかもしれないが。
しかしながら、現実の世界においても、タイルのインテリアに及ぼす影響は、やはり大きい。
ジブリ作品の中に出てくるキッチンの中で、掃除のしやすそうな新建材のキッチンバックを使ったものは見たことがない。それはスタジオジブリのこだわりの当然の結果だろう。
人工的・機械的な掃除のしやすいキッチンバックと、日が経つ程に味わいの深まっていく、タイル。
どちらを選ぶかは自由である。
「美術が映画の品格を決める」とは、宮崎駿監督の弁だ。
いかに細部にまでこだわり、一貫した方向性を貫いているか。また、それが多くの人を魅了しているという事実。
ストーリーはもちろん、美術においても、私達の心に暖かいものを残してくれる。
スタジオジブリの作品に、また学ばせてもらった。同じ時代に生きていて良かったとまで思う。
「美術が映画の品格を決める」
「美術」「映画」を、
「タイル」「インテリア」に置き換えてみよう。
そう、これこれ! なんとしっくり来ることか。
これは、仲睦まじい夫婦が家を建てる際のドタバタを描いた、コメディー映画であ
る。
放送作家の主人公とその妻が、設計をフランク・ロイド・ライトなどモダニズム様式
にこだわるデザイナーに依頼する。
一歩一歩、建築に向けて進んで行く中、デザイナーの唐沢寿明演じる柳沢英寿と、田
中邦衛演じる在来工法にこだわる大工の棟梁、長一郎との対立が面白い。
180度違う考え方の二人が、ある瞬間をきっかけに、距離を縮めて行く。
そのきっかけがタイルなのだ。
デザイナーの柳沢が、
壁紙ではなく、塗装、
すぐ手に入る照明ではなく、入手に時間のかかるこだわりの照明、
そして、タイル。
タイルの中でも、古くから使われている部材。
しかし、その名称を思い出せなくて絵に描く柳沢。
「あそこがこうなっていて・・・ あれじゃなきゃだめなんだ!」
「それは・・・あれじゃないか・・・竹割・・・」長一郎がつぶやく。
角の部分に使用する、いわゆる「役物」である。
「役物」とは、真っ平らなタイルではなく、角や端の部分に使用するために
異なる形に作られたタイルの部材である。
そのタイルを使いたいと知った棟梁は、柳沢のことを理解して行く。
その時から少しずつ、水と油が混ざり合うように、お互いの考え方を受け入れて行
く。
あまり使わなくなった「竹割」。
値段は少々張るが、丸みがあって、タイルの固い雰囲気を和らげてくれる、そんな材
料だ。
実は現在でも探せば「竹割」はあるものだ。
私が好きでよく使用しているタイルにも「竹割」がある。

角のおさめ方には色々なやり方があるが、今度は「竹割」でいこうか。

