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モザイク協会挨拶

あとでいくら思い出そうとしても、どうして自分が思いついたのかさっぱりわからないことがある。
 それは、まるで流れ星が外から飛び込んでくるかのように、パッと心に閃くのだ。
 「アナン、」におけるモザイクがまさにそうだった。
 プロットの時点では、版画にする予定だったはずが、いつ、なぜタイルにしようと思ったのか。はたまたどうして白い虎でも不死鳥でもなく、青い龍なのか。いくら考えても思い出せない。まるで最初からそう決められていたものに、自分が寄り添っていったかのようだった。
 それを、運命というのかもしれない。
 「アナン、」はモザイクでなければならなかったのだ。そうわかったとき、わたしの中で物語という大輪の花がどんどん開いていった。まさに植物が光を浴びたように。人の手から一欠けらずつ編み出される、美しく、豊かで、途方もない芸術。それは今まで知らなかった創造の彼方にわたしを連れていってくれたのだ。
 あのとき、誰がわたしの心に「版画じゃなくてモザイクにしろ」と囁いてくれたのかわからない。あれから十二年たった今も、そのまがうことなき運命を教えてくれたなにかに深く感謝している。

梓 河人

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